- 2025.12.16
- 暮らしのアイデア
味噌の色が黒い!食べられる?変色を防ぐ方法は?黒くなった味噌のアレンジレシピ
買ってから時間が経ち、黒っぽく変色してしまった……そんな味噌が冷蔵庫やキッチンに眠っていませんか?
今回は、味噌が変色するメカニズムから、変色を防ぐための保存方法、黒くなった味噌をおいしく食べるアレンジレシピまで、様々な角度から解説してまいります。
時間が経った味噌が黒くなる理由
味噌の色が変化する主な原因は、「温度」と「時間」です。
時間が経つにつれ、味噌の原料である大豆や米などに由来するアミノ酸と糖が反応して、「メイラード反応」(褐変)と呼ばれる現象が起き、色が変化していきます。一般的に、湿度が高かったり保存期間が長いほど色が濃くなります。
味噌は発酵食品のため、賞味期限内であっても味も変化していきます。保管している温度や環境などによって発酵の進み具合は変わり、賞味期限が近づくにつれて渋みや酸味が強くなるなど、味噌には常に変化がつきものです。
温度が高いと味の変化の速度は早まりますが、反対に低温下では変化がゆるやかになります。
長期熟成味噌と、自宅保管の味噌の違い
蔵で長期熟成させている味噌と、自宅で保管している味噌では、どのように保存条件が異なるのでしょうか。
蔵で寝かせている味噌は、温度や状態を正確にチェックしながら熟成させています。さらに、タンクの中で空気に触れる部分を最小限に抑えて保管し、熟成が完了したベストな状態で容器に詰めています。
私たちがスーパーなどで手に取る容器に包装された味噌は、空気に触れる面積が広く、風味が劣化しやすい環境にあります。経過した時間は同じであっても、管理された中で熟成させるのと、容器内での保存では変化の状況が異なります。
購入後の味噌の保存方法とポイント
温度が高い場所での保管は、味噌の着色が進みやすく風味も変化する場合があるため、直射日光を避け、できるだけ涼しい場所での保管がベター。
おすすめは、冷蔵庫での保存です。開封・未開封にかかわらず冷蔵で保存することで、色や風味の変化を遅らせることができます。
そのほかにも、下記のポイントを意識して保存することで、味噌のおいしい状態をできるだけ長く保つことができます。
●ラップを使い、より良い状態で保管する
味噌に直接ラップを被せて、表面をぴったり密着させて空気に触れないようにすることで、酸化や乾燥、味の変化を防ぐことができます。
●賞味期限内に使い切るのが◎
冷蔵庫で保存することで色・風味を遅らせることができますが、賞味期限はおいしく食べられる期限のため、その期限内に食べていただくことをおすすめします。
●冷凍庫に入れるときには注意
味噌は凍らないため、冷凍での保存も可能です。ただし、冷凍庫から出すと結露が発生してしまうため、都度使うときだけ冷凍庫から出すようにしましょう。
黒くなった味噌、食べても大丈夫?
風味は劣ってしまっていますが、未開封であれば食べても問題はありません。少し味見をしてみて、食べるのに適していないと感じた場合には、漬け床にしたり、味噌の渋みを生かせる料理に活用するなど、工夫してお使いいただくことをおすすめします。
とくに夏場など気温が高い環境では、急速に褐変が進んでしまうため、味噌の風味に大きな影響を与えてしまうことも。開封済の場合には、表面に雑菌の繁殖等がないかや、匂いに問題はないかを確認して、少しでも異常を感じたら食べないようにしてください。
黒くなった味噌を活用!アレンジレシピ
色や風味が変わってしまっても、工夫したレシピで調理することで節約にもフードロス削減にもつながり、また、おいしく食べることができます。
変色した味噌の渋みが好相性な煮込みや、比較的風味の変化を気にせず食べられる炒めもの、食材の漬け込みに活用するのがおすすめです。
今回は、変色が進んだ味噌にもおすすめのアレンジレシピを3選ご紹介します。
〈レシピ1〉やみつき味噌漬け半熟卵
濃厚な漬けだれが絡まり、箸が止まらなくなる半熟卵です。
【材料】(3~4人分)
●卵……6個
《A》
●黒っぽくなった味噌……90g
●水……90ml
●ごま油、白ごま……各大さじ2
●唐辛子……2本分
●砂糖……小さじ1
●ニラ……1/2束(約60g)
●にんにく……1片
作り方
- 半熟卵を作る。鍋で卵がしっかり浸かる量のお湯を沸騰させ酢(大さじ1程度)を加えて、卵をそっと入れる。沸騰させたまま6分半茹でる。茹で上がったらすぐに冷水に取り、冷めたら殻をむく。
- ニラは8mm幅に切る。にんにくはすりおろす。ポリ袋に《A》とニラとにんにくを入れて揉み混ぜる。卵を加え、ポリ袋の空気を抜いて口を閉じ、ボウル等に乗せて冷蔵庫で半日~1日漬ける。
〈レシピ2〉味噌煮込みうどん
みりんで甘みを加えて煮ることでやさしい味わいに仕上がります。
【材料】(1人分)
●うどん(冷凍)……1玉
●鶏もも肉……1/4枚(約70g)
●油揚げ……1/2枚
●長ネギ……8cm(約15g)
●生しいたけ……2個
●ほうれん草……25g ●卵……1個
《A》
●黒っぽくなった味噌、みりん……各大さじ2
●水……350ml
作り方
- 鶏もも肉は1口大に切る。油揚げは斜めに切って三角形にする。長ネギは厚めのななめ切り、ほうれん草は5cm幅に切る。生しいたけは石付きを切り落とす。
- 小さめの土鍋に《A》、鶏もも肉、生しいたけを加えて中火にかけ、沸騰後弱火で3分煮込む。
- うどん、油揚げ、ネギを加え、中央に卵を落として、さらに5分煮込む。ほうれん草を乗せて火を止め蓋をして余熱でしんなりとさせる。
〈レシピ3〉ブリの味噌漬け
しっかりと味噌が染み込んだブリが、白いごはんにぴったり。
【材料】(2人分)
●ブリ……2切れ
《A》
●黒っぽくなった味噌……35g
●みりん……大さじ1
●おろし生姜……小さじ2
●サラダ油……小さじ1/2
作り方
- ブリはキッチンペーパーで軽く水分を拭く。《A》を混ぜ合わせる。
- ラップを大きめに広げ、《A》をブリの大きさに塗り広げ、ブリを乗せる。さらに上に《A》を塗り、ラップで包む。バットなどに乗せて、冷蔵庫で半日~1日漬ける。
- ブリの表面の味噌を軽くぬぐい、サラダ油をひいて弱火で熱したフライパンに入れる。片面3~4分ずつ焼いて完成。